睡眠時無呼吸症候群

就寝中に呼吸が止まる病気
睡眠時無呼吸の原因や治療の流れをご紹介

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中呼吸が10秒以上止まってしまうため、過眠や高血圧などを引き起こす病気です。 1時間あたり5回以上の無呼吸、もしくは呼吸が弱くなる低呼吸が発生している場合は、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。通常、いびきを伴うことが多いです。

日本での潜在的な患者さま数は約200万人以上と推定されていますが、実際に治療している人は、その約2割程度です。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に起こるため、病気の存在に気づきにくいです。いびきや日中の強い眠気などがあれば、積極的に受診し、検査を受けましょう。

メイクリニックの
睡眠時無呼吸症候群の治療の3つの特長

  1. 1 特徴

    当院は睡眠時無呼吸症候群の専門外来を設けております。(予約制)

  2. 2 特徴

    当院は睡眠時無呼吸症候群の診断から治療及び生活指導までトータルサポートをします。

  3. 3 特徴

    日中眠気で困っている方は睡眠時無呼吸症候群が原因かも?
    まず気軽にご相談ください。

こんな症状はありませんか?

こころあたりのある症状はありませんか?いびきと無呼吸の他に、「口やのどの渇き」、「熟眠感がない」、「居眠り」、「慢性的な疲労感」、「集中力の低下」などの症状がみられます。気になる症状、心配なことがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。

  • いびきをかく
  • 寝ている間の
    無呼吸
  • 起きた時の
    口やのどの渇き
  • 熟眠感がない
  • 日中の強い眠気・
    居眠り
  • 慢性的な疲労感
  • 集中力の低下

睡眠時無呼吸症候群のセルフチェック

以下の項目で2つ以上当てはまる場合は、一度受診いただくことをお勧めいたします。

  • Q1毎晩、大きないびきをかきますか?
  • Q2「睡眠中に呼吸が止まっていた」と指摘されたことがありますか?
  • Q3昼間、眠くなることがありますか?(居眠り運転をしそうになったり、会議中にうとうとしてしまうことがよくありますか?)
  • Q4朝起きたとき、寝たはずなのに疲れが残っている感じや頭重感・頭痛がありますか?
  • Q5若い頃より、体重が増えて、顔つきが変わったと言われますか?
  • Q6メタボリックシンドロームの傾向はありますか?

昼間の眠気のチェック

次の状況時の、眠気の程度に0〜3点の点数をつけてください。

眠気のチェックリスト

座って読書しているとき ない 0点 まれに 1点 時々 2点 多い 3点
テレビを観ているとき ない 0点 まれに 1点 時々 2点 多い 3点
公の場で座って何もしていないとき(劇場や会議室など) ない 0点 まれに 1点 時々 2点 多い 3点
1時間続けて車に乗せてもらっているとき ない 0点 まれに 1点 時々 2点 多い 3点
状況が許せば、午後横になって休息するとき ない 0点 まれに 1点 時々 2点 多い 3点
座って誰かと会話しているとき ない 0点 まれに 1点 時々 2点 多い 3点
昼食後(お酒を飲まずに)静かに座っているとき ない 0点 まれに 1点 時々 2点 多い 3点
自分で運転中に交通渋滞で2~3分停まっているとき ない 0点 まれに 1点 時々 2点 多い 3点

得点の合計結果

  眠気の程度
9点以下 眠気は軽度です。
10点~14点 重的な眠気です。
15点以上 重度の眠気です。睡眠時無呼吸症候群の場合、重症である可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群の原因

閉塞型

睡眠時無呼吸症候群の中でも、喉が塞がってしまうことで起こる「閉塞型」が最も多いです。肥満や小顎がリスク因子です。 例えば、太っている人があおむけになると、空気の通り道である喉が狭くなり、呼吸がしづらくなり無呼吸を引き起こします。このときに「いびき(睡眠時無呼吸状態)」が生じます。

脳や神経などの異常

まれに脳や神経などの異常が原因になることもあります。

睡眠時無呼吸症候群は早めの治療が大切です

低酸素状態が続くと、心臓や血管に大きな負担がかかり、「心筋梗塞」や「脳梗塞」、「高血圧」、「不整脈」などが起こりやすくなります。 また、低酸素状態により体に過度なストレスが加わると、糖の代謝にかかわる「インスリン」などホルモンの働きが悪くなり、「糖尿病」や「脂質異常症」を招くこともあります。

重症のまま放置していると、命に関わることもありますので、早めの診断・治療が重要です。

睡眠時無呼吸症候群の治療前後の交通事故発生率

睡眠時無呼吸症候群における居眠り運転事故調査によるとCPAP治療導入前1年間に居眠り運転事故を起こしたものは315例中20例(6.3%)であったが、CPAP治療導入後1年間の居眠り運転事故は3例(1.0%) に減少しました。

国際交通安全学会誌 Vol.35,No.1より抜粋

睡眠時無呼吸症候群の診断の流れ

睡眠時無呼吸症候群の診断は、以下の流れで進めていきます。

  1. 1自覚症状・問診

    【問診項目】

    • 病気に直接関連するもの

      いびき、無呼吸、日中傾眠の程度、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の原因疾患、合併症

    • 社会的問題:交通事故、ニアミスの有無、労災

      2003年2月26日JR山陽新幹線で運転士が居眠りをしたまま、新幹線が時速270kmで走り続け岡山駅で緊急停止する事故があったことをご記憶の方も多いかと思います。この居眠りの原因が睡眠時無呼吸症候群(SAS)であることが分かり、この病気の存在が広く一般の人々に知られるようになりました。

    • 生活習慣

      飲酒歴、喫煙歴、常用薬の有無、睡眠時間と睡眠時のトイレ回数、起床時の爽快感、頭痛の有無

    • 循環器疾患の合併症の有無

      睡睡眠時無呼吸症候群動脈硬化の進展に関わり、心血管イベントの発症に強く影響することが知られています。

  2. 2スクリーニング

    パルスオキシメータで血中酸素飽和度を測定します。

    【検査項目】

    • SpO2
    • 脈拍数
  3. 3簡易検査

    パルスオキシメータに加え、気流を測定するための温度センサや圧力センサ、いびき音を測定するマイクなどを装着し、軌道の狭窄の程度、低呼吸の有無を測定する睡眠評価装置により睡眠中の呼吸状態を検査します。操作・装着が簡単なので在宅検査にも適しています。当院が機械の貸し出しと装着方法を説明します。

    【検査項目】

    • SpO2
    • 脈拍数
    • 気流
    • いびき
    • 体動
    • 呼吸努力
    • 筋電図
    • 体位

    この検査でAHIが>AHI>40でCPAPが導入できます。
    AHI20~40の場合、下記4の追加検査が必要です。

  4. 4ポリソムノグラフィー(PSG) 

    PSGは睡眠状態をトータルに評価する検査です。脳波や筋電図、眼球の動きなどを測定することで、睡眠の深さ、睡眠の分断化や覚醒反応の有無、睡眠構築、睡眠効率などを呼吸状態の詳細と併せて検査します。この検査は一泊入院が必要です。
    AHI>20でCPAPが導入できます。

睡眠時無呼吸症候群の治療

生活習慣の改善

生活習慣の改善や減量により睡眠時無呼吸が軽減することがあります。

  • 減量、精神安定剤の服用制限、睡眠中の体位の工夫
  • 飲酒の制限:飲酒は上気道の筋力を低下させ、睡眠時無呼吸を悪化させる。
  • 禁煙:喫煙は血中酸素濃度を低下させ、喉頭部の炎症を起こし、睡眠時無呼吸を悪化させます。
  • 運動
  • 禁酒
  • 禁煙

CPAP療法

マスクを介し、気道内に陽圧をかけ、気道の閉塞を防ぐことにより、無呼吸を取り除く療法です。CPAP本体から鼻マスクを介してあらかじめ設定した陽圧を軌道へ送り、軌道を常に陽圧に保つことにより、軌道の閉塞を防ぐ役割を果たします。

薬物療法

比較的軽症の睡眠時無呼吸の症例に、呼吸刺激効果のある薬物療法を行うことがありますが、効果が限定的な場合があります。

外科的手術

扁桃の肥大が原因で喉や気道が塞がっている場合、手術によって扁桃除去術で改善するケースもあります。

睡眠時無呼吸症候群のCPAP療法

CPAPで期待される効果

CPAPを適用した患者さまで、無呼吸、低呼吸、いびきの消失、低酸素状態の改善、睡眠の質の向上や日中傾眠が解消されたという報告がされています。

CPAPの副作用

マスクによる皮膚のかぶれ、マスク周りの空気漏れによる不快感、口鼻の乾燥、鼻症状などが挙げられます。空気の飲み込みによる腹部膨満感に対しては、腹部症状改善効果のあるジメチコンなどの薬物療法を用いることがあります。

CPAPによる影響

CPAPを適用した患者さまで合併症の予防、改善や生命予後の改善、交通事故リスクの軽減、心疾患イベントが減少し、死亡率を低下させたとの報告がされています。

CPAP治療による心血管病の抑制効果(Marin JM, et al. Lancet 2005より引用改変)

CPAP導入の流れ

睡眠時無呼吸症候群におけるCPAP導入は以下の流れになります。

  1. STEP01

    検査

  2. STEP02

    診断

  3. STEP03

    CPAP導入の決定

  4. STEP04

    患者さま説明

  5. STEP05

    マスクの選択

  6. STEP06

    CPAP至適圧の選定

  7. STEP07

    在宅療養と定期外来受診データ管理