循環器内科

不整脈

不整脈とは

臓の電気信号の流れが正しく行われなくなり、脈が乱れて状態を言います。

不整脈は大きく分けると脈が1分間に50以下の場合を徐脈性不整脈、100以上の場合を頻脈性不整脈に分けられます。

中には、放置すると心不全や突然死に繋がる不整脈もありますので、疑いがある方は早めに専門病院を受診しましょう。

不整脈専門外来のご予約の方

不整脈専門外来は、毎月第3土曜日の9:00~12:00が診察時間となります。
循環器内科 不整脈専門医 服部正幸医師が診療を行います。
※祝日にあたる場合は休診

こんな症状はありませんか?

動悸、脈が飛ぶ症状を自覚するときはまず不整脈を疑いましょう。中には致死的不整脈が含まれますので、症状がある方は放置しないで、専門病院で精密検査を受けましょう。

  • 心臓がドキドキする(動悸)
  • 急に胸が苦しくなったり痛くなる
    (胸痛、呼吸困難)
  • 脈が規則正しくない(脈が飛ぶ、脈がやすむ)
  • 頭が貧血のような症状が出る(めまい、失神)

不整脈の種類

1.最も頻度の多い不整脈は「時折、脈拍が飛ぶ」期外収縮です。

予期したときから外れて心臓が収縮するのでそのように呼ばれています。期外収縮の起源によって、上室性(心房性)期外収縮と心室性期外収縮の2種類があります。

2.期外収縮以外に、治療すべき不整脈で最も頻度の多いものは心房細動です。

心臓の心房というところが、非常に速い頻度で興奮して、心室と連携して拍動しなくなります。心拍のリズムの規則性は完全に失われ、心拍数は40〜230拍/分に変動します。心房と心室が連携して動かないため、心臓の中で血液が淀み、血液の塊(血栓)ができやすくなり、それが飛んで脳の血管に詰まると、脳梗塞を起こしてしまいます。心臓は通常、速い頻度で興奮し続けるために、疲労困憊し、心臓の収縮力が弱まり、動いた時に息切れを自覚するようになります。この状態を心不全といいます。

3.他に発作性上室性頻拍症、心室頻拍、心室細動があります。

心室性不整脈は命に関わる不整脈ですので、脈の乱れや動悸などの症状がある方は専門医へご相談ください。

不整脈の原因とは

心臓弁膜症

心臓の中の弁(僧帽弁、大動脈弁)が機能していない時。心臓の部屋が肥大し、心臓の筋肉内を通る電気信号の流れが乱れやすくなります。

狭心症、心筋梗塞

どちらも心臓の血管が詰まり、心臓の筋肉に血液がまともに流れにくくなることで心臓の筋肉や神経が障害を受けて不整脈が出やすくなります。

高齢(動脈硬化)

動脈硬化と不整脈は関連がないように感じる方もいるかと思います。しかし血管の動脈硬化が進むと、心臓が血液を送るのに抵抗が増えることになります。すると心臓が拍動すること自体に負担が増え、心筋に影響が出てきます。結果として心臓内の電気信号の流れに乱れが出てしまうのです。

貧血・脱水

身体の中の水分が減ると、頻脈性の不整脈を起こすことがあります。

ホルモン

有名なのは甲状腺機能亢進症です。心房細動という不整脈を合併し、心不全や失神を起こすことがあります。

生活習慣の影響

運動、ストレス、睡眠不足、飲酒、喫煙、疲労などが、不整脈を引き起こします。

不整脈の検査の流れ

不整脈の検査は、以下の流れで進めていきます。

  1. 1血液検査

    電解質異常が不整脈の原因になりますので、確認が必要です。

  2. 212誘導心電図検査

    すぐ行える検査です。不整脈発作中であれば心電図で診断できます。

  3. 3胸部レントゲン検査

    スクリーニングとしてとります。心臓の形、大きさあるいは呼吸器の疾患をある程度判別します。

  4. 4心臓超音波検査

    不整脈の原因としての心臓弁膜症、心筋症等の検査を行ないます。心房細動のある場合は心臓内に血栓ができやすいのですが、その検査も可能です。

  5. 5ホルダー24時間心電図検査

    小型機械を装着していただき、そのまま帰宅、1日心電図記録を行い、翌日機械を外し不整脈発症有無の解析を行います。動悸症状と照らし合わせて、不整脈のタイプを診断することができます。

  6. 6ベントレコーダー検査

    ホルダー24時間心電図で不整脈を診断することができなかったとき、2週間持続的に記録できる装置です。発作頻度が少ない不整脈の診断に役立ちます。

  7. 7植え込み型心電モニター検査

    5cm×1cm大の小さな心電計を皮下に埋め込む小手術を行い、1年以上不整脈イベントを記録することができます。必要に応じ、大学病院へ紹介、検査手術を行います。

  8. 8電気整理学検査

    入院して行うカテーテル検査です。必要に応じ、大学病院へ紹介、検査を行います。

不整脈の治療

薬による治療

抗不整脈薬と心臓を休ませる薬で不整脈の発症を抑える効果があります。

カテーテルアブレーション治療

不整脈の起源となっている部位を同定し、その場所を低温で焼いて不整脈が起きないような治療をします。入院が必要ですので、治療が必要な方は筑波大学附属病院循環器内科へ紹介いたします。

ペースメーカ植え込み術

心臓の動きを助ける効果があります。入院が必要ですので、治療が必要な方は筑波大学附属病院循環器内科へ紹介いたします。

植え込み型除細動器

致死的不整脈が出た時、自動的に不整脈を感知し、電気ショックで不整脈を止める効果があります。