慢性心不全
慢性心不全とは
心不全とは心臓のポンプとしての機能が悪くなった結果、体が必要とする十分な血液を心臓が送り出すことができず、息切れや体のむくみなどの症状がおこる病気です。
慢性心不全とは?
日本は世界でもトップを走る超高齢化社会であり、高齢心不全患者さまが大幅に増加する「心不全のパンデミック」時代の到来が予想されます。
「心不全パンデミック」に備え、日常生活において心不全を早期発見と治療、及び再発防止が大切です。
「むくみ」 「息切れ」 「だるい」 「夜眠れない」の症状が出るときは、早めに循環器内科専門外来を受診しましょう。
慢性心不全はどんな症状が出る?
こんな症状はありませんか?以下の症状がある方は我慢せず、早めに医療機関を受診しましょう。
- 胸がドキドキする(動悸)
- 食欲がない
- 足がむくむ
- 体がだるい、疲れやすい
- 息が苦しい
- 夜眠れない
- 1週間に体重が2kg増えた
- 急に血圧が上がる
こんな人は慢性心不全に要注意!
心筋梗塞や狭心症など虚血性心疾患があったり、弁膜症があったり、不整脈があったり、全ての心臓病は心不全の原因となります。また、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病、喫煙、貧血、感染症、運動不足、過労、ストレスも心不全を起こしやすい原因となります。
-
心疾患のある方
-
弁膜症の方
-
喫煙習慣がある方
-
ストレスの多い方
このような症状を持っている方は、自分が心不全の予備群であることを自覚し、定期的に専門外来を受診し、早期診断・治療を受けるようにしましょう。
慢性心不全の検査の流れ
心不全の診断は、以下の流れで進めていきます。
-
1血液検査
BUN, Creで腎うっ血、腎機能低下の状態、AST,ALT, γ-GTPで肝うっ血の状態、BNPで体に水が溜まりすぎてないか、トロポニンI、CK、CK-MBで心臓の筋肉が壊れてないか、他、HbA1c,LDL-C, TCなど心不全の危険因子の有無を確認します。
-
2心電図検査
不整脈、高血圧症、虚血性心疾患が隠れてないか確認します。
-
3胸部レントゲン検査
心臓の大きさ、水が肺に溜まってないか、大動脈瘤がないかを確認します。
-
4心エコー検査
心臓の動き、弁膜症、心臓の中に血栓がないか、心肥大や心筋の筋肉の異常がないかを確認します。
-
524時間心電図検査
不整脈状態を確認します。
-
6ABI検査
動脈硬化の状態を確認します。
-
7冠動脈CT検査
心臓を栄養する血管が細くなってないかを確認します。
-
8心臓MRI検査
心臓の動き、大きさ、心臓弁膜症、心臓の筋肉の異常がないかを確認します。
-
9心臓カテーテル検査
心臓に水が溜まりすぎてないか、弁の異常はないか、心臓を栄養する血管が細くなってないかを確認します。
慢性心不全の治療
生活習慣改善
禁煙、塩分制限、適宜運動、食生活改善の改善を図り、心臓への負担を減らします。
薬による治療
-
利尿剤
体に溜まっている水分を出して体のむくみを良くする薬
-
心臓を保護する薬
心臓を休ませ、ストレスを減らす薬
-
抗不整脈薬
不整脈の発作を抑える薬
-
降圧薬
血圧を下げる薬
-
その他
コレステロールの治療、糖尿病の治療、腎臓保護薬など
心臓カテーテル治療
入院治療が必要ですので、治療が必要と判断した患者さまは関連病院の筑波大学附属病院、つくばメディカルセンター病院へ紹介します。
外科的治療
弁膜症、大動脈瘤の患者さまは状況によって手術が必要です。
心臓リハビリテーション
心臓に過負担にならないよう、患者さまの状況に合わせて医師による診察と運動処方に合わせて、心電図モニターリングしながら心臓リハビリテーション指導士、理学療法士の立会の元で運動を行います。
- 循環器内科