胸痛
胸痛(胸の痛み)は命に関わる重篤な疾患のサインである場合もあるため、まずは「緊急性の高い疾患かどうか」を見極めることが非常に重要です。
【緊急性が高い疾患】
1. 急性冠症候群(心筋梗塞・不安定狭心症)
・症状: 圧迫感、締め付けるような痛み、左肩・腕・顎へ放散、冷や汗、吐き気
・対処:ニトログリセリンを処方されている場合は使用(意識がある場合)、緊急入院カテーテル検査、治療が必要
2. 大動脈解離
・症状: 突然の激しい裂けるような胸背部痛、左右で血圧差、失神
・対処:入院にて安静、降圧管理、場合によっては手術
3. 肺塞栓症
・深部静脈血栓症の既往や長時間の座位がリスク
・症状: 呼吸困難、胸痛(吸気時増強)、動悸、失神
・対処:血栓溶解療法
4. 緊張性気胸
・症状: 急な胸痛、呼吸困難、片側の胸の動きが乏しい
・対処:絶対安静、場合によって胸腔ドレナージを要する。
【比較的緊急度は低いが、医療機関での評価が必要】
5. 胃食道逆流症(GERD)
・症状: 胸焼け、食後や横になると悪化する胸痛
・対処:胃酸を抑える薬による治療
6. 肋間神経痛・筋骨格性胸痛
・症状: 特定の動作や圧痛で誘発される痛み
・対処:鎮痛薬(NSAIDs)やストレッチ
7. 心因性胸痛(パニック障害・不安障害など)
・症状: 動悸、息苦しさ、非特異的な胸の不快感、パニック発作
・対処:心療内科や精神科受診