胸痛
胸痛(きょうつう)は、胸部に痛みや不快感を感じる症状です。胸痛は非常に多くの原因によって引き起こされることがあり、軽度のものから深刻な疾患を示すものまで幅広くあります。
胸痛の原因
胸痛の原因には以下のようなものがあります:
心臓に関連する原因
心筋梗塞(心臓発作): 心臓の血流がブロックされ、心筋に酸素が届かなくなる状態。強い圧迫感や締め付けられるような痛みを感じ、左胸部に痛みが広がることがあります。その他に息切れ、冷や汗、めまいなども伴うことがあります。
狭心症: 心筋に一時的に酸素供給が不足することで、胸痛が生じます。運動やストレスによって引き起こされ、数分で痛みが収まることが多いです。
心膜炎: 心臓を包む膜が炎症を起こすことにより、鋭い胸痛を感じることがあります。
消化器系に関連する原因
逆流性食道炎(GERD): 胃酸が食道に逆流することによって胸部に痛みを感じることがあります。しばしば食後や横になった時に悪化します。
食道痙攣: 食道の筋肉が不規則に収縮することで胸痛が生じます。痛みはしばしば食事後に感じられます。
胃潰瘍: 胃や十二指腸の潰瘍が痛みを引き起こすことがあります。胸の上部や背中に放散することがあります。
筋骨格系に関連する原因
肋間神経痛: 胸部の肋間神経が圧迫されたり炎症を起こすことによって、鋭い痛みを感じることがあります。体の動きや呼吸に伴って痛みが強くなることがあります。
筋肉の緊張: 長時間同じ姿勢をとったり、重い物を持ち上げた際に筋肉が緊張して胸痛を引き起こすことがあります。
肺に関連する原因
肺炎: 肺の感染症によって胸部に痛みが生じることがあります。呼吸時や咳をしたときに痛みが強くなることが多いです。
肺塞栓症: 血栓が肺の血管を塞ぐことで突然胸痛が現れることがあります。息切れや血痰、動悸を伴うことがあります。
精神的な原因
パニック発作: 不安や恐怖による強いストレスが胸痛を引き起こすことがあります。痛みは短期間で強く感じることがあり、しばしば呼吸困難、めまい、心拍数の上昇を伴います。
胸痛の症状
胸痛の症状は原因によって異なりますが、一般的には以下のような特徴があります。
・圧迫感: 心臓の問題や消化器系の問題に関連することがあります。
・鋭い痛み: 筋骨格系や神経の問題による痛みは鋭く感じられることがあります。
・放散痛: 胸痛が肩や腕、背中、顎などに放散することがあります。心臓に関係する問題でよく見られます。
いつ医師に相談すべきか
胸痛は時に命に関わる重大な状態を示していることもありますので、次のような場合は速やかに医療機関を受診してください:
- 胸痛が突然始まった、または激しく感じる場合。
- 痛みが左胸部に広がり、腕、肩、顎、背中に放散する場合。
- 息切れや冷や汗、吐き気を伴う場合。
- 長時間痛みが続くまたは痛みが強くなる場合。
- めまい、失神、意識障害を伴う場合。
胸痛は様々な原因で発生する可能性があるため、その内容やその他の症状と合わせて診断を受けることが非常に重要です。もし心配な場合は、早めに医師に相談することをお勧めします。