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心不全とは

心不全(しんふぜん)とは、心臓が十分に血液を送り出すことができなくなる状態を指します。心臓の機能が低下し、身体のさまざまな部分に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなり、体の他の臓器や組織に影響を与える病気です。
🔹心不全の主な原因
心不全は、心臓の左室、右室、または両方の機能が低下することで引き起こされます。主な原因には以下があります。
1.冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症など)
心臓に血液を供給する冠動脈が狭くなったり詰まったりすると、心筋が十分に酸素を受け取れなくなり、心不全を引き起こします。
2.高血圧(高血圧性心疾患)
血圧が長期間高い状態が続くと、心臓が過剰に働き続け、最終的に心臓の筋肉が弱くなり、心不全を引き起こすことがあります。
3.心筋症
心臓の筋肉に異常が生じ、心臓がうまく血液を送り出せなくなる疾患です。
4.弁膜症
心臓の弁が正常に機能しない場合、血液が逆流したり、流れが滞ったりして心臓に負担がかかります。
5.不整脈
心拍が乱れることで心臓の効率が低下し、心不全を引き起こすことがあります。

🔹心不全の種類
心不全には、主に次の2つのタイプがあります。
1.左心不全
左心室の機能が低下し、肺に血液が滞ることで呼吸困難や咳が生じます。息切れや咳、浮腫(むくみ)などがよく見られます。
2.右心不全
右心室の機能が低下し、体内の静脈に血液が滞るため、足や腹部のむくみが生じます。これが進行すると、肝臓や腎臓にも影響を与えることがあります。
3.両側性心不全
左右両方の心室が機能低下を起こし、体全体にさまざまな症状が現れることがあります。

🔹心不全の症状
心不全の症状はさまざまで、症状が進行すると日常生活に大きな影響を与えることがあります。主な症状には以下が含まれます。
1.息切れ(呼吸困難)
特に運動後や横になった時に強く感じることが多いです。
2.むくみ(浮腫)
足首や足の甲、腹部に水分がたまり、むくみが見られることがあります。
3.倦怠感や疲れやすさ
血液が十分に全身に送られないため、エネルギー不足を感じやすくなります。
4.咳や喘息様症状
左心不全では、肺に血液が滞るため咳や喘息のような症状が現れることがあります。
5.体重増加
水分が体にたまることにより、急激な体重増加が見られることがあります。

🔹心不全の診断と治療
心不全の診断には、病歴や症状の確認、血液検査、心エコー検査、胸部X線検査、心電図などが使われます。
治療には、以下の方法があります。
1.薬物療法
利尿剤:体内の余分な水分を排出することでむくみを軽減します。
ACE阻害薬ARBs:血圧を下げ、心臓の負担を減らします。
β遮断薬:心臓の働きを安定させ、心不全の進行を防ぎます。
抗凝固薬:血栓ができるのを防ぐために使用されることがあります。
2.生活習慣の改善
塩分制限:高血圧やむくみを防ぐため、塩分を減らすことが推奨されます。
適度な運動:心臓を強化するための適切な運動が勧められますが、無理な運動は避けるべきです。
3.手術や治療法
ペースメーカーやICD(植込み型除細動器):不整脈がある場合に使われることがあります。
心臓移植:重度の心不全に対して行われることがあります。

心不全は早期の診断と適切な治療が重要です。症状に気づいた場合は、すぐに医師に相談することが大切です。