ペットボトル症候群
「ペットボトル症候群」は、特に清涼飲料水(ジュースや炭酸飲料など)を大量に飲みすぎることによって引き起こされる、高血糖による代謝異常の一種です。特に糖尿病(またはその予備軍)であることに気づいていない若年層に多く見られます。
高血糖による急性代謝失調状態で、ジュースや清涼飲料水に含まれる大量の砂糖(ブドウ糖、果糖)を継続的に摂取することで、血糖値が極端に上昇します。これにより以下のような症状が現れます。
1.主な症状
・体重減少
・強い喉の渇き(多飲)
・頻尿(多尿)
・倦怠感
・吐き気・嘔吐
・意識障害(重度の場合)
2.原因とメカニズム
・糖分の過剰摂取:500mlの清涼飲料水1本には約50g前後の糖が含まれています。2L飲むと200gの糖を摂取することになります。
・インスリン不足:若年の糖尿病や、ストレス、生活習慣の乱れでインスリン分泌が追いつかず、糖をうまく処理できない。
・高浸透圧性高血糖状態(HHS):血糖が非常に高くなり、脱水や意識障害を引き起こします。ケトアシドーシスに似た症状もあります。
3.治療
・点滴による水分・電解質補給
・インスリン投与
・血糖値・電解質バランスのモニタリング
4.予防方法
・清涼飲料水・スポーツドリンク・エナジードリンクを過剰に飲まない
・喉が渇いたときは「水」や「お茶」で対応
・定期的な健康診断で血糖値をチェック
・疲れやすい、喉が異常に渇くなどの症状がある場合は早めに医療機関を受診
5.特に注意が必要な人
・未診断の糖尿病(特に2型)
・夜間コンビニでジュースや炭酸飲料を買って飲む習慣がある若者
・食生活が乱れている人(インスタント・ファストフード中心)
・ダイエットのつもりで「食べずに甘い飲み物だけで済ます」人